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ログ12〜優雅な生活

切り離し保存日:97/1/1

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黒猫丸の優雅な生活

バンコク編:97/1/1


■バンコク経済戦争(97/1/1)

 バンコクはむかつく。なぜなら商売人はみんな大ウソツキだからだ。表示してある値札はデタラメで、叩けばどんどん安くなる。あからさまな外国人価格に頭がくらくらする。

 言い値650、値切って150

 おねえさんが台の上で踊る怪しげな店(なんでかドアが開いてあって、ステージが少しのぞける。しかし立ち止まって中をのぞき込もうものなら、客引きにあっと言う間に連れ込まれてしまう)が並ぶにぎやかな路地でみやげ物を選んだ。買ったのは図のチャイニーズボール。手の上でころころと転がすと年寄りにはボケ防止に役立ち、ライターにはインスピレーションが滝のように流れてくる中国8千年の発明品だ(大ウソ)。売っている露店には3カ月以上、商品の動きがあった気配はなく、ケースは歪み壊れ口金は外れ、排気ガスで黒く澱んでいる。ちょっと気になって触ってみて、値段を聞いたらなんと650バーツ(1バーツ=4.5円)。馬鹿野郎、200バーツで腹が一杯になる国で、なんでそんな大金をクソオモチャに払うんだ?オレは国連か!−−という怒気を視線に込め、ヘラヘラしている姉ちゃんに「残念ながらそんな高価な商品は私は買えません。見ただけです、有り難う。商売の邪魔をして申し訳ありません」と、丁重に断り、その場を立ち去ろうとした。しかし、敵もさるもの。「まって、まってミスターサノバビッチ。いあなた様はいくらなら、この薄汚いゴミをカバンにねじ込んでくれるのですか?」と電卓を叩く。
 見れば、150バーツと打ってある。歩くサイフと狙いを付けたら、とことん食い下がって離れないスカッド作戦だ。東京に移り住んで早6年、関西人濃度が薄まりつつある私はこれにコロリとハマリ、にこにこ顔で150バーツ出してしまった。もちろん、これで済んだら「いやーもうけたなあ、オレって商売人じゃん」といい気分で凱旋帰国できたのだが、思い出したくもない裏話がある。2日後、ころころ音が鳴るチャイニーズボールがすっかり気に入って、人にくれてやるのが惜しくなったオレはもう1つ同じものを買おうと、再びインチキ露店を訪れた。「コレハイクラデスカ?」と、初めて見るかのように同じ姉ちゃんに値段を聞くと、今度は850バーツという。ヘーイ、レディ!同じ手は喰わないぜ。前にオレが買った値段は・・と、すでに買い物に関しては心がささくれ立っていたオレは、100バーツと打ってみた。悩んだふりするな姉ちゃん、と思っていたら、何と相手は120バーツと打ち返してきた。ヘーイ!それじゃあ、初日のオレの「150バーツで儲けた儲けた」気分は何だったのだ?クソみたいな思いこみだったのか?ああ、神戸市長田区で不動産業を営むオレのおやじだったら、迷わず30バーツとか打ち込んで、小一時間にわたって交渉という名の嫌がらせを加え、結局25バーツで買ってしまうんだろうなあ、と考えると気が滅入ってきた。すいませんお父さま、私はまだ若造です。
 話変わって同じ露店街で、「これぞタイみやげ!」と嬉しくなってくるような、ナイスなタイグッズを見つけた。えー、ムエタイ(タイ式キックボクシング)の選手がはく、派手なパンツです。これも発句はいくらだったか忘れたが、「250バーツ!」と食い下がる露店の姉ちゃんに「200といったら、200だ!オレ様はそれ以上、1バーツたりともあなた様の売り上げに貢献しませんコトよ」と買ってきた。姉ちゃんはすごくイヤそうな顔をしていたが、どうせ田舎から人買い同然で連れてきた子供を地下室に閉じこめて作らせているんだから(ウソです)、儲けは180バーツくらいあるのだろう。ああ、疑心暗鬼が止まらない。ちなみにそのパンツはSMEのニューメディア本部の浦川さんがはいています。「うわーコテコテのパンツですねえ」と口では喜んでくれたが、納会のパーティでは、はいてくれませんでした。ちくしょう、みんな口だけだ。ああ、魂が汚れてしまふ。

■バンコクでエステ初体験(97/1/1)

バンコクといえばエステだ。私の妻がそう言えば、そうなんです。そもそも私にはエステとかフーゾクとかキャバクラとかは全く興味がなかったが、黒猫妻はいつの間にか「大のエステ好きな人」に変身していた。なぜだ、いつから?まあ、美しくありたいと努力する女性は美しいので、止めはしませんが。そんな黒猫妻が手配したバンコク旅行は当然のコトながらフリーのエステコースがついていた。女性用はフェイシャルや全身コースなど16項目の中から、男性用はグッとヤル気がなくなって、5項目の中から選べる。そこでエステ初体験してきました。
 ツアーについてくる安エステだから、ハゲたホーローの洗面器に錆びた剃刀、タイルの目地は真っ黒で水垢でぬるぬる、タオルやシーツは一度も洗濯しておらず、べったりと茶色いシミがついた灰色のぼろ雑巾。担当者は先のとがった靴を履いた、体重180Kgの巨漢で、上半身裸でなぜか弁髪−−という、一般的なイメージしかなかったのだが、ついてみてビックリ。向かいのホテルの高級スポーツ系クラブに付属の、高級エステだったのだ。高級!
 さて、男性エステ評論家の黒猫丸(ウソ)が体験したのは、背中と面の皮と頭のコース。エステ娘に案内されて、ついたのは薄暗い個室。しまった罠か!と後悔したものの、すでに靴は取り上げられて脱出不可能。すごすごと命ぜられるまま、パンツ一丁になりました。ああ、新しいパンツはいてきてよかったなあ。全然教えてくれないんだもんな>黒猫妻。えー実際にされたことですが、実はよく分かっていません。ヌリヌリいろんなオイルを塗りたくられて、マッサージされました。エステ室はシャワーがあり(これは全身コースの女性用であろう)、タオルを敷き詰めたお医者さんの診察台のようなベッド付きで、顔に当たる部分がカポッと外れる仕組みです。おーミラクル!内装もシンプルながら木材をふんだんに使い、フィンランドサウナかタイの伝統的な豪邸を西洋化したようなイメージ。木の香りも強く、居ながらにして森林浴気分でした。
 背中ヌリヌリの時は別にこちらもワザを駆使する必要はなく、単に寝てるだけでよかったのだが、顔には往生した。何しろ、最初に目になんだか酸っぱそうな液に浸したパットを当てられ、「強酸性の劇薬かも知れないので、まぶたは1ミクロンの隙間もなく強閉して、敵の劇薬の侵入に備えよ」状態になり、痙攣しそうなほど踏ん張って目を閉じていたかと思えば、口のまわりにも怪しげなオイルを塗られ、「多細菌性の強度汚染物質かも知れないので、唇は1ミクロンの隙間もなく強閉し、敵の侵入を防御せよ!」という、「顔面戒厳令」状態にあった(表現に一部誇張あり)。つまり何されているかワカランという恐怖心から、気が抜けなかったのである。しかし気持ちがいいことは事実で、私は終わりの方にはグウグウ寝てしまいました。変な寝言を言っても、タイ人のマッサージ娘にはわかんないからナイスだし。所要時間は、だいたい1時間強くらい。実際の効き目はワカランが、サービス尽くしで何も考えずにリラックスできるので、女性に人気なのは分かる(これに『やせる』とかの2次目的が挿入されると、効果検証及び経済効果という問題が絡むが)。
 「気持ちよかったでしょう?」と終わってから黒猫妻に聞かれたので、後々の面倒を引き起こさないよう玉虫色の万能返事「ふんふん」と返答した。値段(二人で約3000バーツ)も日本と比べると、すごく安いらしい。安いのです!その後、黒猫ふーふは「黒猫丸:男性のフーゾク通いと女性のエステは同じ」理論から、「黒猫妻:隣のホテルのオカマショー見に行きたかったのに、あなたが先に帰るから行けなかった!」問題までいろいろと話し合われ、次の日はまるで当たり前のように寺院の中にあるマッサージを受けに行かされた(こちらは30分100バーツももっとお安い。ただし、マッサージ学校の実習事業のようだ。うっかり秘孔を突かれても知りません)。えー、てなワケです。

■シンハビア、もう1本!(97/1/1)

えー、タイ料理はエスニック料理の王様である(今そう決めた)。どっさりスパイスに辛々とうがらし、コリヤンダーをはじめとするハーブたっぷりで、口に合わない人には全くダメだが、好きな人にはたまらない奥の深さがある。うーん、好きです。
 黒猫ふーふは基本的に食いしんぼで、旅行はできるだけ食事がついていないツアーを選び、スーツを持っていって、高級レストランもおっかなびっくりで食べにいく。食べ物に関するバロメータがふーふで一緒なので、お互い感謝している。「えーオレ、ハンバーガーでいいよ」「もうイヤ!日本食食べないと死んじゃう!」なんてことは言わない。現地のレストランに今回もガンガン出かけました。ただし、屋台はあまり攻めていません。私の知り合いで赤痢になった人もいるからね。発病したのを知らず、がんばって会社に出てきて、かえって回り中に迷惑をかけたという困り者です。屋台はおいしそうだったけど、何しろあのひどい排気ガスの中で「町中バーベキュー」状態で作っているので(食器も洗う気配なし)、ちょっと勇気いります。胃腸に絶対的な自信を持っている人は、試してみて下さい。1食200円もあれば余裕です。
 さて今回食べ歩いた主なレストランをご紹介しましょう。

【初日】アンバサダーホテル・フードマーケット
ここは屋台風のビアガーデン。下手な生演奏付き。現地屋台を直接しばく勇気はなかったが、雰囲気だけでも味わいたくてここにきました。料理はゲス。観光以外なら行かない方がいいです。

【2日目】コカ(ハッポン通り近く・夕食)

これはタイシャブ(鍋物)のお店。くそ暑いのに結構はやっていて、やすくてうまい。鍋の具を単品で注文する形式で、野菜や肉・豆腐などを1皿単位で注文する。ちなみに豆腐は1皿10バーツ(1バーツは約4.5円)。腹一杯食って2人で500バーツ以下とと馬鹿安。禁煙席には日本語が分かるおばちゃんがいて、最後にライスを注文すると有無を言わさずおじや(オジヤも通じる)を作ってくれます。タレは甘辛く(というか、非常に辛く)イケます。ここは最後の日にも行きました。

【3日目】チャイナハウス(オリエンタルホテル別館:昼飯 )

ここはタイにある中華料理のレストラン。コロニアルな一軒家で、バンサンカンとかの女性誌が好きそうなオシャレな雰囲気。ここで飲茶をしたのだが、結論から言うと、我々を感動させるには至らなかった。予算は二人で約1500バーツ。案内のチャイナドレスお姉さんのスリットが色っぽかったくらいしか覚えていない。最後にクリスマスプレゼントくれた(自家製?クッキー)。

レモングラス(スクンビット通り近く:夕食)

 ここはタイの家庭料理のお店。混んでるらしいので6時に予約していったのだが、お店はすごく薄暗くて閑散としており、最初はちょっと後悔。しかし、店員は親切で(日本語はちょっとだけ分かるらしい。推測)、料理も合格。トムヤンクンをずべずべ飲みました。お客はなんだか日本人が多く、予算は二人で1000バーツくらい。チキンのスパイス焼きとフルーツのサラダ(ポメロサラダ)がなかなか良かった。

【4日目】スパイスマーケット(リージェントホテル・昼食)
 ホテル内にある、昔の香辛料市場を模したレストラン。「やっぱ、タイにきたらカレーくわなきゃ」という一念で行きました。タイのカレーはご飯にルーをかけるけど、インド式とも日本カレーライスとも違っていて、全部ココナッツミルクベースです。味はまあまあ合格。ここも二人で1000バーツ以下。

あんまり料理に興味がある人ばかりとは思えないのでこれくらいにしますが、もしレストランの詳しい場所や我々が食したメニューを知りたい場合は、どうぞお気軽にメール下さい。

■ムエタイ、ぴーひゃらら

ムエタイ(タイ式キックボクシング)はタイの国技である。国技なのでみんな金をかけて真剣に応援する。ムエタイを見に行こうと思ったのは、実は最近お知り合いになった打撃系格闘技大好き漫画家・大里幸子さんの影響です。「タイ行くんなら、ムエタイとか見るっすか?」--この一言でいく気になりました。それまで存在そのものを忘れていました、国技ごめん。
 さてムエタイは火木土とか、かなり頻繁に開催されており、我々の滞在中もばっちりやっていたのでルンピニ・ボクシングスタジアムまで見に行きました。試合は18時スタートで、1日役10試合組まれている。スタートは前座からで、メインイベントは9時くらい。我々がスタジアムに着いたは20時くらいだが、十分盛り上がっていました。入場料は1・2・3階席とあり、それぞれ1000・500・250バーツ。チケットはその場で買えます。2時間遅れでも平気です。席の数だけチケットを売るという基本的概念に乏しいようです。なぜかスタジアム(とはいっても、草野球所みたいなボロイ建物)前には日本がわかるネーチャンがカードの説明をしており、「3F席?みんなお金かけてて興奮するから、アブナイアブナイ!」というのを振り切り、一番チープな3F席へレッツゴー。だって、安いんだもん。3F席はコンクリの床にどういう構造になっているのか、訳のワカラン古板が高さ10メールにわたって組まれており、別の意味でデンジャラス。蚊もぶんぶん飛び回っているので、マラリヤとかが恐い人は行かない方がいいでしょう。
 さて、実際の試合ですがやっぱええモンですわ。恥ずかしながらこの年までスポーツとしての格闘技をその場で見たことがなかったので、それなりに感動しました(実戦はなんどか見学しましたが)。ムエタイといえば「這いあがって金持ちになってやるキック!」や「妹を学校に行かせてやりたいパンチ!」とか、選手はみんな貧乏でハングリーで獰猛・・というイメージがありました。そんでもって必殺の気迫で、腹撃ち抜かれても相手をくびり殺す--という恐ろしい選手達だと思っていました(一部誇張有り)。が、実際の試合はもちろんデスマッチではなく、死人も出ず、泣き叫びながら連れ去れる美人もおらず、5ラウンド制で淡々と試合が進みます。クールなスポーツです。3試合見たけど、ノックアウトされたのは1試合だけで、あとはみんな判定だった。一発入ると強烈みたいだが、モーションが派手なので防御も楽なのか、大技はあんまり決まんない。タイのオッちゃん達も冷静にギャンブルしていて、キックの応酬が始まるとそれなりに声援するが、判定に怒り狂ってリングに駆け上がったり、拳銃ぶっ放したり、物を投げたりというのは全くありませんでした。みんな紳士だ。トムヤンクン飲んでると、そうなるのか?
 なお、我々が3試合で帰ってしまったのはムエタイがイヤなわけではなく、ケツが痛くなったからです。ムエタイ、やっぱりごめん。
 




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